Wadia "Series9" Decoding Computer system

931 Digital Controller/921 mono Decoding Computers




2006年、ワディアはデジタルコントローラー”931”とモノーラル・デコーディング・コンピューター”921”二台による最高峰DAC、”シリーズ9”リファレンス・デコーディング・コンピューター・システムを遂にリリースしました。
”931”デジタルコントローラーはデコーディング・コンピューターのコントロールセンターとして機能し、デジタル入力の切替え、デジタル信号のチャンネル分配、ボリュームコントロール、ワディア独自のデュアル・ファイバー・インターフェース・フォーマットでのデジタル出力を司る言わばデジタルプリアンプとしての役割を持ちます。”921”は”931”から送り出される一つのチャンネルに対してそのデジタル信号を、ワディア最新のデコーディング・アルゴリズム「デジマスター1.4」によって64倍リサンプリング・デコードを成し、パワーアンプに直結可能なプリアンプ出力レベルのハイクウォリティーなアナログ信号を出力するモノーラルDACです。通常のD/Aコンバーターでは入力系、デジタルプロセッシング、D/Aセクション、I/Vセクションそして、出力セクションの全体構成が単体でフィックスされているため、その発展性には限界が強いられますが、この”シリーズ9”では、入力プロセッシングに携わる機能を”931”に、また、”921”DACは単体モノーラルというコンポーネント構成によってその自在度を高め、あらゆるステレオ、マルチチャンネル、新フォーマットなどへのあらゆる可能性にきわめて優れた対応力を持っています。
ワディア伝統のデジマスター・デコーディングアルゴリズム、ユニークなデュアルファイバー・インターフェース、スイフトカレント2ディスクリートI/V回路、クラスA出力、高度なパワーサプライなど、”931””921”それぞれのセクションには、デジタル/アナログ両面にわたるワディアの革新的テクノロジーを集積。次世代DACの象徴的存在として、その再生音にセンセーショナルなライブパフォーマンスをもたらす圧倒的なクォリティーを誇る最新DACシステムです。




 
Wadia 931 Digital Controller 




”931”デジタルコントローラーは”シリーズ9”デコーディング・コンピューター・システムのコントロールセンターとして、また、システムの”頭脳”として働きます。六系統のデジタル入力切替と高精度デジタル・ボリュームコントロール・ファンクションを司ります。デジタル入力は現行のS/PDIF、AES/EBUのみならず新たなコネクション・インターフェースにもアップグレード対応が可能です。取り込まれたデジタル入力は、チャンネル分配やクロック処理などのデジタル信号処理が行なわれ、ワディア独自のインターフェース・フォーマット”デュアル・ファイバー・インターフェース”に変換して出力。出力は8系統、デジタル信号とクロックの割り当てやアップグレード対応によるマルチチャンネル化にもユーザー・カスタマイズが可能なフレキシビリティーを有し、ユーザーインターフェースはフロントパネルとリモコンの五つのボタン、ディスプレーによって行なわれます。







Input Circuitry ”931”デジタルコントローラーは六系統デジタル入力を装備。現行の形態としてはAES/EBU、S/PDIFフォーマットの24bit/96kHzデジタル信号を受信します。24bit/192kHzがスタンダード化された場合には、それも可能となります。また、さらに現在計画されている”シリーズ9ディスクトランスポート”から出力されるSTフォーマットに変換されたSACDのDSD信号も受信可能です。
“931”の入力は、高品位なワディア・ジッターリジェクション・テクノロジーである”RockLok”サーキットと”ClockLink”サーキットによってサポートされています。
”RockLok”は、ワディア独自のカスケードPLL(フェーズロックループ)サーキットで、デジタルオーディオ・インターフェース・スタンダードに準ずる通常のデジタルオーディオ入力をリカバリーし、低ジッターのクロック信号を再生成します。
”ClockLink”は、”931”から送り出されるローカルクリスタルオシレーターのクロック信号に外部ソース機器を完全同期させる機能です。各入力はそれぞれ、”RockLok”あるいは ”ClockLink”のいずれかにコンフィギュレーションすることが可能です。

Field Programmable Gate Array (FPGA) 
“931”のデジタル入力、デジタル出力はすべてメインコントロールボードに搭載された超大容量FPGA(Field Programmable Gate Array)によってルーティング処理がなされます。このゲートアレーは100系統の入/出力と20,000ゲートをもつ巨大かつフレキシブルなもので、FPGA とダイレクトに信号の受け渡しをするDSPとの連携で8つのデジタル出力に対するデジタル信号のルーティング処理を自在に高速で行ないます。
FPGAはその名の通り「フィールド・プログラム」を特徴とし、外部のEPROMによって信号処理の動作形態がコントロールされますので、新たなデジタルオーディオ・フォーマットが確立されたりしたときにもEPROM交換によって変更対応することができるフレキシビリティーも兼ね備えています。




DSP Capability 
FPGAが取り込んだデジタルオーディオ・データはメインコントロールボードに配備されたモトローラのパワフルDSP(Digital Signal Processing)によって、L/Rのチャンネル分離、クロック処理などのデジタル信号処理が行なわれます。また、このDSPは、FPGAと同様にやはり外部のEPROMプログラムによってその動作を設定することが可能で、例えば将来的なフィチャートとしてカスタム・デジタルフィルターリングやマルチアンプシステムのためのクロスオーバー設定、ルームコレクション、あるいはまた、MLP、MP3などへ発展的応用の可能性も秘めています。

Distributed ClockLink 
モノブロックDACを高精度で一元管理するワディア・クロックリンク・ジッターリジェクション・テクノロジーを搭載。従来のワディア・ステレオDACとデジタルソース(CDトランスポートなど)とのクロックリンクはトランスミッション経路におけるジッターを最も効率よく低減させるためにマスタークロックをD/Aコンバーターチップの最も近くにしかも各チャンネルと等間隔を保つ設計が成されています。”シリーズ9”デコーディング・コンピューター・システムにおいては、モノーラルの独立各チャンネルDACユニットとデジタルソースとをすべて均等にクロック管理するために、下図のように「頭脳」となる”931”コントローラーに一つの高精度マスタークロックを置き、そこからワディア・デュアルファイバー・インターコネクターの一端を担うSTオプチカル・グラスファイバーによって各ユニットに同一クロックを分配するディストリビューテッド・クロックリンクシステムを導入しました。”931”に搭載されたマスタークロックは±1ppmの超安定性を誇るTCXO(Temperature Compensated Crystal Oscillator)を用いて行なわれます。”921”の各チャンネルユニットと、同期可能なデジタルソースはすべて、入力クロックリンク信号にロックする”931”のカスケードPLLサーキットRockLokで生成されるマスタークロックに完全同期します。一般的な入力同期システムがVCXO(Voltage Controlied Crystal Oscillator )を使用して、ワイドレンジながら安定性と正確さを欠くS/PDIF Level2インターフェース規格に沿った同期しかとれないのに対して、ClockLinkシステムに於いては、プレシジョンVCXOを採用するRockLokサーキット内の二段目のPLLサーキットがマスタークロックに対して狭帯域で同期させることができるため、極めて安定かつ正確な同期を取ることを可能としています。

Wadia Dual Fiber Interface
 デジタルコントロールセンター”931”とモノーラルDACユニット”921”デコーディング・コンピューターとはSTグラスファイバー二本を介する超高速デュアル・ファイバー・インターフェースによって結ばれ完全に電気的なアイソレーションが施されます。二本の内一本がデータ伝送を、もう一本がクロックを”921”に伝送します。AES/EBUあるいはS/PDIFデジタル伝送フォーマットのようにクロックがデータに埋め込まれた方式はバイフェーズ・エンコーディングがなされていてそのクロック信号はエンコードされたデータのスペクトラムの影響を受けるため原理的にクロックジッターの
発生を抑えることができません。”931”はその信号処理過程で、入力信号のデータとクロックを完全分離してから”921”に送るため伝送ジッターを皆無にします。クロックと分離されたデータには、ボリューム、バランス、エンファシス、ミュート、スタンバイなど、”931”から”921”へのコントロール信号も含まれています。

Glass Fiber Transmitters and Receivers ”931”と”921”のインターフェースに用いられているSTグラスファイバー送受信デバイスは一般的なオーディオ機器用のものと一線を画します。1km以上の長距離を低損失・超高速でデータ伝送を行なう強力な光出力と受光感度をもつ通信機器のためのこのデバイスを家庭での30m以下での使用に最も適するように周辺回路をディスクリートで組み上げています。

User Interface ”931”デジタルコントローラーへのユーザーインターフェースはフロントパネルの五つのボタンかリモートコントローラーによって行ないます。入出力のネーミング変更などのコマンドは”931”内部で処理され、ボリュームコントロールなど与えられたコマンドは内蔵のコントロール・マイクロプロセッサーからデュアル・グラスファイバーインターフェースによって”921”に伝達します。必要なステイタス、コマンド・インフォメーションは”931”のフロントパネルの英数ディスプレーに表示されます。また、ディスプレーの消灯も可能です。

Modular Design ”931”内部のフィジカル・アーキテクチャーとレイアウトは、新たな入出力の端子形状や入力セクションに交換可能なリアパネルのメタルインサート、データやコントロール、パワーシグナルの追加変更を容易にする”ピギーバック”基板構成、プラグイン・ソフトウェアチップなど、将来的なアップグレードにフレキシブルに対応する構造デザインがなされています。

931 Power Supply マスタークロック専用レギュレーター、電磁誘導とメカニカルノイズを防止し周辺回路への干渉を極限まで低減させるためにカスタムエンクロージャーに収容し三重のファラデーシールドを施したトロイダルトランス、静粛で安定したDC供給を行なうマルチプル・ステージ・レギュレーターなど、”931”に搭載された電源システムは、デジタルオーディオ信号のプロセッシング精度とクロックジッターの低減を極限まで追及したクリーンで強力なDC電源供給を可能にしています。また、加えて、ACインレットからのコンセントへのノイズの流入、逆流を防止するフェライト・フィルターも搭載し万全を図っています。



Wadia 921 mono Decoding Computers 




“921”デコーディング・コンピューターは、デジタル入力セクション、D/Aセクション、バリアブルレベル出力ステージ、パワーサプライシステムの四つの主要ステージで構成されています。




Digital Input Section デジタル入力セクションは”931”からデュアルファイバー・インターフェースを介して送られてくるデジタル情報を受けて、デジマスター・インターポレーション・フィルターリングとボリュームコントロールを実行し、D/Aセクションにデジタルオーディオ信号を送ります。




Dual Fiber Interface ”921”の入力セクションは”931”デジタルコントローラーでデュアルファイバー・インターフェース・フォーマットにエンコードされたデジタル・オーディオ信号とクロックを受信します。”921”を構成する全ハードウェアは192kHzデータまでのサポート容量を持っています。


RockLok Clock Recovery ”921”の最新高性能RockLokサーキット内部のVCXOが、”931”デジタルコントローラーが送り出す高精度かつ低ジッターのクロックによって狭帯域でロックするため従来のワディア製品と比べて一段と優れたジッター・パフォーマンスを実現しています。

Field Programmable Gate Array (FPGA)  ”931”と同様に”921”のデータとコントロール信号はFPGA(Field Programmable Gate Array)によってルーティングされます。加えて、DACセクションに対するタイム・スタッガーリング・データの生成も担っています。もちろん”931”のFPGAと同様にその動作はEPROMに書き込まれたコンフィギュレーション・プログラムによって将来的なアップグレードにも対応します。



DigiMaster 1.4 Interpolation Filter ”921”のデコーディング・アルゴリズムにはワディアが1991年に確立した特異な補間デジタルフィルターリングシステム”デジマスター”をブラッシュアップした最新世代バージョン”DigiMaster1.4”を採用しています、一般的なブリックウォールタイプのデジタルフィルターは周波数ドメインのフィルターで波形を丸めてオーディオ信号を復元しようとするため群遅延による位相の乱れやインパルス応答で信号の前後にノイズの発生を伴いまが、”DigiMaster”アルゴリズムはタイムドメインでデジタル入力データ・サンプルに対するデータ補間を行ない高密度なデータ再構築を行いますので、時間と位相の正確性を保ったD/A変換を可能とするワディアならではの優れた方式です。

“DigiMaster1.4”はアナログ信号からA/D変換によって途切れ途切れにサンプリングされたデジタル信号の中からリアルタイムで現在のサンプルデータの前後13サンプルを取り込み、その変化状態を分析することで目的の一つの区間にジャストフィットするカーブを取り出す12次Cスプライン関数という自在定規のような補間関数を使って、データのポイント間にオリジナルとしてあったアナログカーブを復元します。このプロセスは超高速DSPによって48bitレゾリューションで演算され、64倍のリサンプリング・データを24bit精度で出力します。つまり、CDの44.1kHz/16bitのサンプリングデータに対しては、データ間を63個のフィッティング・データで補間し、2.8224MHz/24bitという超高密度高分解能の最もアナログに近いデータとしてオーバーサンプリングされるというわけです。




(下図参照:左は8倍オーバーサンプリング、右は64倍オーバーサンプリング)



D>A Section 上記のように“DigiMaster1.4”アルゴリズムによってデジタルオーディオ・データは、例えばCDの44.1kHz/16bitのサンプリングデータに対しては、データ間を63個のデータで補間し、64倍のサンプリングレート2.8224MHzで、しかも分解能24bitという超高速で膨大なデータレートとしてD/Aセクションによってアナログ変換されます。このデータサイズが如何に大きいかは、DSD(SACD)のデータレートが2.8224MHz/1bitと比較しても明らかでしょう。
“921”のD/Aセクションには、BurrBrown PCM1704 DACチップがバランス信号のホット側用として4個、コールド側用として4個の計8個が使用され、FPGAから送られるタイム・スタッガード・データを26bitでデコードします。D/Aセクション内の各ブロックの詳細は次の通りです。

Isolated Digital Coupler Array D/Aセクションの最初のエレメントはBurrBrown ISO150アイソレーション・デジタル・カップラー群です。これらは、入力デジタル信号ラインとDACチップの間の信号受け渡しの段階で、相互の電気的な結合を廃し、グランドを遮断し、デジタルセクションからの微小なデジタルノイズとグランド電流がアナログ回路へ回り込むのを完全に防いでデジタル信号だけを純粋に伝送します。デジタルプロダクツの中にはそうした目的のためにオプチカル・カップラーを採用するものもありますが、それらは、光源となるLEDをドライブするために大きな電流パルスと経年劣化に対するアローワンスを求められます。内部のLED光源の光出力は一年で50%も減少する恐れがあるためです。ISO150は内部にLEDを使用せず、経年劣化の恐れがほとんどないデバイス。ISO150の内部に設けられた精密なエアーギャップがあたかもキャパシターのように働きハイスピードで信号を伝達します。耐圧2400Vピークという高いDC遮断特性と低周波遮断特性を持ち、その伝送レートは実に80Mbits/sec、という驚異的な能力をもったカップラーです。

Time Shifted DAC Array 
デジマスター1.4インターポレーションによって生成された2.8224NHz/24bitのデータストリームは、”921”D/Aセクション1チャンネルあたり8個のBurrBrown PCM1704 DACチップによってD/A変換がなされます。8個のDACチップはタイムシフト・バランス回路を構成します。タイムシフト構成は、デジタル信号の高速化と同時にリゾリューションの拡大にも寄与します。多くのD/Aコンバーターの処理レートは、DACチップのスペック、その中のI/V回路のスピードによって規制されますが、このワディアのパテント技術「タイムシフトDACアレー」は複数のDACチップにシーケンシャルにデータを送り込むことでDACチップの数に応じた倍数のスピードとレゾリューション拡張を得ることのできる優れた回路技術です。

「タイムシフトDACアレー」は複数のDACの電流出力が総和となって高S/Nを生み、シングルDACより高いレゾリューションを達成します。イラストは、各DACがそのDACが扱うことの出来る最も小さい振幅信号LSB(Least Significant Bit、オーディオデータの最も小さい部分を表すビット)信号を出力した例で、ノイズフロアーはシングルDACのままにして、
各DACからの電流がまとめられるたとき、その出力信号では総合的な出力が増加していることを示し、理論分解能における改良をもたらして結果としてSN比(SNR)における改善がなされます。改善の度合いは、デバイスの数の平方根によって測定されます。 例えば、2個のDACチップを使用すると、SNRは√2(1.41)の割合で増加します。 4個のDACチップを使えば、SNRは2倍(1ビットに同等)よくなります。 合計8個のDACチップを使用するWadia921Decoding ModuleはシングルDACより2.82倍高いレゾリューションを達成するわけです。


Wadia SC-2D Discrete Current Conveyor 通常、DACのI/V変換には、オペアンプが使用され、また、オペアンプのデバイスによって音の違いがもたらされることは多くのCDプレーヤーメーカーが認識するところです。ワディアは、しかし、オペアンプによるI/V変換そのものが大量のNFを要することによって生ずるセトリング・タイムの悪化とトランジェント・インターモジュレーション歪(TIM歪)による音の劣化を嫌い、独自のI/V変換サーキットを開発しました。それが、オーバーオール・フィードバックを必要とせずに低歪率でワイドバンドの高スルーレートI/V変換を可能とする「SC-2Dディスクリート・カレントコンベアー」です。カレントコンベアー回路は、パテントのWilson current mirrorを発展応用した回路で、IC構成による “SC-1”が Wadia861に搭載されていましたが、SC-2Dはそれを高精度のディスクリート部品で組んだ最新構成のモジュールです。トランジェント特性、超安定的な出力インピーダンスの出力カレントミラーを特徴とし、DAC出力のコンスタント・インピーダンス化によって周波数リニアリティーを極限まで高めます。SC-2Dでは、一般的にICの中で使用されているポリシリコン抵抗に代えて、高品位な0.1%精度のメタルフィルム抵抗をディスクリートで組み電圧出力しダイレクトにハイ・カレント・クラスA出力ステージに送り出しますので、圧倒的な低歪率を実現しています。

Class A Variable Level Output Stage 
”921”のラインレベル出力は他のワディアD/Aコンバーターと同様にダイレクトにパワーアンプを駆動する出力電圧とドライブ能力を持っています。回路は、”921”のために新しくデザインされたバイポーラデバイスによるクラスA動作構成で、グローバルフィードバックを排しながらローレベルの歪率を劇的に改善すると同時に、低インピーダンス、高出力電流を達成。インターコネクトケーブルの影響を受けることのない高いドライブ能力を発揮します。また、この出力回路では、パワーアンプのゲインとスピーカーの能率に応じてリゾリューションを最大限に送り込めるよう、リファレンス出力レベルを四段階で切り替えるスイッチをリアーパネルに設けています。出力レベルステップは、複数の抵抗アレーのタップを切り替える方式ではなく、単一抵抗をリレーで切り替える方式を採用することで、抵抗アレー方式が抱える複数の接点、半田ポイント、パターンによる信号経路の複雑化を回避して、信号経路の単純化を達成。しかも、単一抵抗には0.1%精度のメタルフィルム抵抗を採用することで偏差を徹底的に抑え込んでいます。

Power Supply System “921”デコーディングコンピュータのパワーサプライシステムは1チャンネルあたり別々のバスで独立した6つの電源を持ち”921”内部の各セクションに供給します。各電源は供給するそれぞれのセクションに対して最も適切なフィルタリングとレギュレーション環境を与え、各電源の間の相互変調を最小のものとし、音質向上に絶大な効果を与えています。

Current Pre-regulators 6つの電源のうちの5つの電源には、フィルタ・コンデンサー出力と電圧レギュレータ入力との間に定電流プリ・レギュレーターが置かれています。定電流レギュレーターは、無限大に近い高ソースインピーダンスのもので、負荷インピーダンスの変化に影響を受けることなく定電流を供給します。ハイ・インピーダンスはソースと負荷の間のノイズをブロックします。一般的な電圧レギュレータとは比較にならないほど大きなアイソレーション効果が得られます。


Inductor Input Filtering 電源におけるインダクタ入力フィルタリングは新しい概念ではありませんが、不思議にあまり広く利用されてはいません。しかしそれは、コンデンサー入力デザインと比べて音質を向上させる大きな武器となります。
そのバリューを慎重に計算したインダクターをブリッジ整流器の出力とフィルタ・コンデンサー入力の間に置くと、3つの利点がもたらされます。
まず最初に、ブリッジ整流器からの電流の流れを整えることによって、インダクターはブリッジ整流器が直接大きなコンデンサーを充電するとき起こる電流スパイクを排除します。
2番目に、インダクタは2番目のフィルター・エレメントとして機能します。ACに含まれる高周波ノイズの軽減に大きな威力を発揮します。
3番目に、インダクターはACライン周波数のリップルを減少大きくさせ、安定した電流放出を提供します。
以下に、これらの利点それぞれに関して説明します。

Inductor-input Filters: Elimination of Current Pulses コンデンサー入力フィルターによる電源では、整流器からフィルター・コンデンサーまでの電流は急峻で高いマグニチュードのパルスを伴って流れます。整流器の電圧はコンデンサーにチャージされた電圧よりも常に高く、整流器からの電流がACサイクルの短い時間ごとに途切れ途切れにダイレクトにフィルター・コンデンサに一気に流れ込むためにチャージ電流パルスが発生します。非常に大きい電源の場合、こうしたパルスはピークで実に50A以上にもなります。その大きな振幅によって、これらの電流パルスは整流回路の前段と後段に流れ込み、ノイズ源となって回路に影響を及ぼします。真空管アンプの多くは「pi-network(パイネットワーク)」フィルターを使用しています。 こうしたフィルターはインダクターを2組のフィルター・コンデンサーの間に挿入していますが、しかしそれは、整流器と最初のセットのコンデンサーの間ではインダクターがないことによってそこでも
まだチャージ電流パルスの発生は防げません。インダクターを入力コンデンサーの手前に設けることによって電流をス
ムーズに供給することが可能となります。チャージ電流パルスを排除して、連続した滑らかな電流を作るのです。

Inductor Input Power Supplies: AC Line Noise Filtering 調光器、高速スイッチング電源回路(テレビ、VCR、、DVDプレーヤーなどの電源が考えられます)、無線機、および同様のものはAC電源をノイズで汚します。一般的な機器の電源には、シングルポール・ノイズフィルターが使用してそうしたノイズの混入を防ごうとしますが、”921”の整流回路のインダクターは2番目のフィルターエレメントとして作用します。全体としては2ポール・フィルターの働きをとなり、ノイズフィルター効果を倍化させます。

Inductor Input Power Supplies: Reduced Ripple コンデンサーだけの平滑回路では、コンデンサーはACサイクルの半波ごとに充電/放電を繰り返します。それが、電源のリップルを発生させます。インダクター入力フィルターを設けることによって、インダクターは自らの電磁作用によって、電流が途絶えたときの半波では逆に電流を放出しようとします。その作用が滑らかで、連続したコンデンサーへのチャージ電流を作り、リップルを劇的に改善します。

High-Performance Filter Capacitors ラインレベル出力ステージのための電源に用いられたメイン・フィルター・コンデンサーの種別は、リスニングテストをベースに選定され、カスタムメイドされています。要所要所にハイスピード・キャパシターがパラレルに配備され、フィルターリング効果の広帯域化を図っています。

The Final Word 1988年のWadia2000のセンセーショナルな開発、1991年のPowerDACの基礎開発を経て十有余年、いまワディアはその絶え間ない研究開発の成果をこめてWadia “series9”デコーディングコンピューターを未来に繋ぐ最先端のデジタルオーディオ・コンポーネントとして世に贈ります。


 
[ Wadia"Series9"Technical Specifications ]
デコーディングソフトウェア: デジマスター1.4
DACサンプリングレート: 2.8224MHz 
デジタルプロセッシング能力: 48ビット 
デジタルレゾリューション: 26ビット
位相反転:: デジタル領域
アナログ出力: バランスXLRコネクター/シングルエンドRCAコネクター 各1
デジタル入力(6系統): STタイプ・グラスオプチカルコネクターx2, BNC同軸コネクターx2 トスリンクx1, AES/EBU x1
出力インピーダンス: 114Ω(XLR), 52Ω(RCA)                 
電源: AC100V、50/60Hz
消費電力: [Wadia 931]10W [Wadia 921] 35W(一台)
重量: [Wadia 931]16.5kg  [Wadia 921]17.5kg(一台) 
寸法(突起含まず): [Wadia 931] 432W x 143H x 407D mm [Wadia 921] 432W x 74H x 462D mm
付属品: リモートコントローラー/スパイク及びスパイク受けコースター各3個(一台当り)/STケーブル5本
※外装フィニッシュ: ブラックまたはシルバー(写真はシルバー) *仕様は予告なく変更することがあります。

Wadia 931 Digital Controller  \1,600,000 (税別希望小売価格) (2006年3発売)
Wadia 921 mono Decoding Computer  (1台)\1,500,000 (税別希望小売価格) (2006年3月発売)


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