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[ 継承、そして、その先の未来へ ] 


1980年代初頭、Wilson Audioの歴史に記念すべき一頁を刻む弩級のスピーカーシステム”WAMM”を創り上げたディヴィット・ウィルソンは、それから数年の後、当時彼が携わっていたレコード制作の現場で精度の高いモニターリングを行なう必要性から自身のための小型スピーカー”WATT”を完成させました。さらにその後、低域補強のための”Puppy”を加えWATT/Puppyとしてシステムを発展させ、世界のオーディオファイルから絶賛とともに圧倒的な支持を受けます。Wilson Audioのハイエンド・スピーカーメーカーとしてのスタートがここから始まったのです。

WATT/Puppyのシステムは、時代の進化に伴って、その後幾多の変遷を遂げSystem8に至ります。しかし、それは、基本的にはWATT自身が独立し得るという姿を全く変えることのないアップデートの変遷でした。その間、Wilson Audio は、もう一方で”WAMM”から継承されたマルチキャビネット構成によるX-1 / Grand SLAMMMAXXAlexandria X-2など、コンプリートシステムの深化の過程を辿ります。

Sasha WP は、姿かたちこそ一見するとWATT/Puppyの次期バージョンかとも思われるかも知れませんが、実はそれは、Alexandria X-2MAXX 3という現代のWilson Audioのフラッグシップ機に傾注されたノウハウを継承し生まれた新たなシステムなのです。

中高域各ユニットには
MAXX Series 3と同一のものを、ウーファーには磁力強化した新モーター/マグネットアッセンブリーを投入。中高域モジュール、バス・キャビネットのいずれもSystem8を上回る容積を持たせ、ローエンドの2Hzの拡張によるアッパー・バス帯域のクリアネスとスケールアップを達成。

また、クロスオーバー回路の中高域モジュールからの分離と、中高域モジュールの新ブレーシング構造、サイドウォール・コンストラクション、新バッフル材は、さらなる高剛性化と低共振化をもたらし、極めて高いS/N感とリアリティーを実現しています。

キャビネット材、クロスオーバー、ドライバーのすべてのデザインにおけるコンプリートシステムの、未来に向かう新たな姿がここに生まれました。
 

[ ミッドレンジ ] 


Sasha WPには、MAXX Series3に搭載されたものと同一の7インチ ・ミッドレンジ・ドライバーが採用されています。 それは、Alexandria 2の構成の中で中心的役割の一翼を担う要素として新開発されたドライバーの磁気アッセンブリーにわずかなシンプル化を図った新バージョンです。

動的質量が極めて軽く強靭なファイバー混合コーンと強力な磁気回路によって俊敏で低歪率、高S/Nを達成しています。

Alexandria 2 におけるドライバーの開発過程では、世界で最もすばらしいホールのひとつであるウィーン・ムジークフェラインの響きが多大なインスピレーションをもたらし設計推進の原動力となりました。ステージからのダイレクト音と一次反射、副次反射音との絶妙なコンビネーションが生み出すこの素晴らしい音のリアリズムはAlexandria 2の開発に大いに刺激を与えます。ミリ秒オーダーの微細な音の重なりと広がりの再現に関わるドライバーの俊敏性と歪みが徹底的に解析され、ウィルソン・オーディオと専業ドライバーメーカーとの提携による極めて高性能な新たなドライバーユニットが開発されたのです。










[ トゥイーター ]


ミッドレンジのみならずSasha WPにはMAXX Series3と同一のトゥイーターが搭載されています。強力なマグネットによる磁気回路で低歪率でスムーズな広帯域再生を可能としたチタニウム逆ドーム型トゥイーターです。また、ハウジング内のダンピング材の投入により、僅かなダイヤフラム後面波をも徹底して吸収し高S/Nを実現しています。



[ ウーファー ]


Sasha WP
のバス・キャビネットは以前のPuppyエンクロージュアの内容積を上回ります。そのため、ウーファーにも新たなスペックが求められました。二基の8インチウーファーには、新たにさらに強力なマグネットが搭載され、モーターアッセンブリーの強化も施されました。それによって、ウーファーコーンはモーションスピードは飛躍的に向上し、低域のダイナミックックスを大きく改善しています。


[ キャビネット ]


ディヴィット・ウィルソンは、彼の最初の技術の集大成となる”WAMM” スピーカーシステムを1981年に組立て始めました。 そのキャビネットはバルト海地域の樺(カバ)材を素材とした合板と金属のハイブリッド・バッフルによるものでした。 それから、1985年に初代WATTを完成させるまでの間、彼は木材やMDF、あるいはアルミニウムなどよりももっと大きな剛性とダンピングを兼ね備えた材料を探求し、ミネラル(鉱物)混合のアクリル系素材に辿り着きます。 WATTに採用されたそのキャビネットは、低共振性とカラーリングのない見事な音の再現性で絶賛を浴びました。

次の挑戦は、鋼鉄のような強靭な硬度とずば抜けたダンピング性能を併せ持つバス・エンクロージュアへの素材でした。
1992年開発のX-1 Grand SLAMMのために研究されたセルロースとフェノールの混成物、X材がそれで、他の追随を許さない圧倒的な性能を発揮させます。そして、それは、ウィルソン・スピーカーのミッドレンジ・ハウジングを除く(1,000Hzの共振周波数であったため非ミッドレンジ用として) あらゆる部分に採用される極めて有用な素材となったのです。


鋼鉄のような強靭な硬度とずば抜けたダンピング性能を併せ持つ
X材の完成は、ミッドレンジ・キャビネットに対してもそれに見合う特性を求める新たな挑戦を促しました。それまでのミネラル(鉱物)混合のアクリル系素材から、木材パーチクルとフェノール樹脂の積層素材に換えたM材がそれです。X材にマッチしながら、ミッドレンジ・ドライバーフレームとの理想的なカップリングを実現する最適な硬度を得ています。

M材のWATTキャビネットにおける初導入は2002年のWATT/Puppy System7でした。
その後
M材はさらに改良され、木材パーチクルとエポキシ樹脂の積層素材に進化した第四世代M(M4)となり、MAXX Series3とアレキサンドリアSeries2で使用されることとなります。M材の名は最初にMAXX Series1で採用されたことに由来しています。


- Sasha WPのミッドレンジ・キャビネット
Sasha WPでは、ウィルソンのこうした優れた素材の研究開発へのあくなき探求から生まれた最も先進の成果をご披露します。恐らくS材と呼ばれることになるであろうこの新素材は、天然ファイバーとフェノール樹脂の混成積層構造によるもので、Sasha WPのミッドレンジ・バッフルに採用されています。再生音により深い表現力をもたらすその低カラーレーション性能は、ミッドレン・キャビネットに素材性能の新基準をもたらすことでしょう。
また、内部構造にも手が加えられています。躯体強化のためのクロスブレーシングが仕切る内部チェンバー容積を非均等とするウィルソン独自の構造技術をさらに改良し、
WATTを上回る容積のミッドレンジ・キャビネットをさらに低共振化させています。また、サイドパネルには新NCマシンで精密に切削加工した分厚い第三世代X材を使用。バッフルの”S材”との相乗効果がさらなる低ノイズ化に貢献しています、

- Sasha WPのバス・キャビネット
分厚い第三世代
X材を精密切削加工したSasha WPのバス・キャビネットは、その内容積をPuppy8よりサイズアップさせています。その結果、ボトムエンドの再生帯域は2Hz延伸し、きめ細かな諧調表現を伴ったダイナミック感溢れる豊かな低域再現力を獲得しています。

 



Sasha WP [Specifications]


ウーファー: 2 x 8インチ (20.32 cm) ハードペーパーコーンw/ラバー・サラウンド
ミッドレンジ
: 7インチ (17.78 cm) カーボンファイバー混成ペーパーコーン
トゥイーター
: 1インチ (2.54 cm) チタニウム逆ドーム
感度
: 91 dB @ 1W/1m @ 1 kHz
公称インピーダンス: 4Ω (最低: 1.8Ω@ 92 Hz)
周波数特性: +/- 3 dB 20 Hz - 22 kHz Room Average Response
外形寸法: 360W × 1120H × 540D (mm)
重量: 89.5kg1台)





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