Thiel (Kentucky,USA)

1976年創立。1978年、マルチ・ダイナミックスピーカーで
時間・位相の完全性を追求したモデル《03》を発表して以来一貫して、
電気信号から音へと変換するトランスデューサーとしてのスピーカー能力に音色、音場、過渡応答、
ダイナミズムの忠実度などの普遍性を求め、独自の研究開発で
平坦なF特性と時間/位相応答、低歪率、低エネルギー蓄積などの技術的課題を次々に克服してきました。
特にここ数年は、念願の自社生産による理想的なユニットの開発によって、
実在感に溢れるダイナミック型でありながら、
しかもスピーカーを意識させない時間/位相整合性“コヒレント”能力に秀でたCS7.2やCS2.3、
ピュアオーディオ品位でホームシアターにも最適のMCS1、PCSなどの名器を送り出し
世界中で高い評価を得るハイエンド・スピーカーメーカーです。



カンパニー バックグラウンド インフォメーション
ティール製品開発の歴史


ティール(THIEL Audio Products Company 、アメリカKentucky州Lexington)は、エンジニアが運営する組織として、ホームユースにおける最高品質の音楽とビデオサウンドの再生を達成するために、自ら設計エンジニアで設立メンバーのジム・ティール(Jim Thiel)のもとにラウドスピーカーの研究、設計、および製造をおこなっています。その製品群は、ドライバー設計、音響構造技術、およびクロスオーバー設計などにおいて、つねに多くの技術的先進性を提示してきました。

1976年創立。当時、スピーカーに対する風潮は一般的に、出てくる音の個性が最重視され、再生音の客観的な精確さというものは、むしろ望ましいものだとは考えられてませんでした。また、多くのスピーカー・メーカーは、それぞれの考える、耳に快い音を出す、いわば特徴的な製品の設計を追求していました。スピーカーの音質はメーカーごとにみな異なっており、それは今そうであるより、当時はまたずっとその傾向が強かったのです。そのような時代の中にあって、ティールが当初から目指したものは、あくまでも、音楽を可能なかぎり精確に再現できる能力を持ったスピーカーの設計ならびに製作でした。

テイールがめざしたもの、それがどういうものだったか、ひとつの例を挙げましょう。例えば、わたしたちの製品は、いちばん最初のモデルから現在に至るまで、 レベル・コントロールというものを全く備えていません。わたしたちは、スピーカーを正確なものとして作っており、それを誰であれ変更してもらいたくないのが理由です。こうしたことは、わたしたちのスピーカーが広く一般に人気を博するというためには役立たないとしても、わたしたちは敢えてその方針を決めたのです。わたしたちにとって重要な、製品の設計についてのもう一つのコンセプトは、完全な性能の実現をめざすということです。音楽のある一つの面ではたいへん優れているが、他の面ではまあまあである、といったスピーカーを作ることに、わたしたちはこれまで一度も関心を持ったことはありません。このことをわたしたち流の言い方で言えば、スピーカーとは、以下に挙げる点のすべてにおいて「たいへん優れている」ものでなければならないということです。

すなわち、それは、音色的に精確なものでなければならず、精確で自然な音像を生み出すものでなければならず、音の透明度を高いレベルで達成したものでなければならず、また非常に大きなダイナミックレンジを持ったものでなければなりません。はじめ静電型スピーカーについてさまざまな試みを行った結果、わたしたちは、この方式ではわたしたちがめざす性能上の目標のすべてを達成することは不可能との結論に達しました。そこで、わたしたちは、ダイナミック型によるポイントソース方式を選択し、それをずっと追求してきました。

最初の数年間、スピーカーが再生する音楽の音をより精確なものにするための研究を続けた結果、わたしたちがはっきり認識したのは、音楽信号の中に含まれる、これまで主として注目されていたものより、より微妙で、しかも同じように重要な情報、すなわち時間と位相の情報の非常に多くの部分を、ほとんどすべてのスピーカーが欠落させているということでした。その当時にあっても、フェイズレスポンスというものを問題にしていたメーカーは僅かですがありました。しかし、現実の製品として、多量の位相歪を発生させないスピーカーというものは存在しませんでした。

1978年に、わたしたちはマルチドライバーダイナミックスピーカーシステムにおける時間と位相精度の完全性に関するパイオニアとなる《モデル03》を発表しました。この製品は時間および位相歪を生じない初めての“Coherent Source(コヒレント・ソース)”マルチウェイ・ダイナミック型スピーカーでした。 この製品は、現在ではごく一般的になった形式、すなわち、3個またはそれ以上のドライバーを、幅の狭い背の高いフロアスタンディング式のキャビネットに縦に配置する形式を採用した、最初の製品の一つでもありました。さらに、この製品はまた、各ドライバー間の時間的なアラインメントを正しく行う方法として、回折の問題を生じる可能性のあるステップ状のバッフルに代えて、傾斜したバッフルを使い、その上にドライバーを配置した最初のスピーカーでもありました。この 《モデル03》 が体現した独自の技術的追求の成果は、ダイナミック型のフルレンジ・スピーカーシステムにおける 自然な空間再現の達成によって、現代スピーカーの音像的な性能向上の先駆けをなしたものです。

1983年、《モデルCS3》を発表しました。この製品は、バッフルの両側の角をゆるやかな丸みを持ったものにすることで、音波の回折作用の減少について少なからぬ改善をなしとげたもので、この方法はそれ以前にわたしたちが採用していた方法に比べてずっと優れたものでした。この製品において初めて、ドライバーのシャーシとしてダイカスト製を採用し、また、ネットワーク中にポリプロピレン・コンデンサーを採用しました。

1986年に発表した 《モデルCS3.5》には、ドライバーに起因する歪の低減をめざしたより高度な技法、すなわち、より複雑な形状に加工された構成要素から成るドライバー磁気回路の採用や、マグネットシステム中への銅部品の使用などの技法が導入されています。

1988年発表の 《CS1.2》は、キャビネットの不要振動を排除するために、内部に非常に本格的なブレースによる補強を実施した最初のTHIEL製品です。

非常に野心的な製品である《CS5》は、1989年に発表されました。2年半にわたる開発努力から生み出されたこの大力作の特長としては、使用するすべてのドライバーのダイアフラムへの高度素材の採用、精確な周波数特性を達成するためわずかなレスポンス上の乱れに対しても徹底して行った内部的な電子的補正、また時間的なアラインメントを正しく整えるために行った電子的な遅延の付加、そして、成形大理石を用いたバッフルの採用、などが挙げられます。この製品は、音の精確さをより高いレベルで達成するためにさまざまの独自の設計技法を駆使して作られたトゥイーターを採用した最初のものです。また、最も優れた音質を得るために、ワイアには撚り線ではなくソリッド(単芯)ワイアを、それも99.99%の純銅製のものを使っています。 絶縁材としては、誘電性の歪を無くするためテフロン製のものを選び、ワイアはツイステッドペアのかたちにして使っています。《CS5》は、非常に高いレベルの音の透明度、自然そのものの音像再現、例外的なほどの音色的な精確さ、最低音域まで伸びたレスポンス、大きなダイナミックレンジなどの達成を通じて、比肩するものの少ない精確な音楽再生の能力を現実のとしています。

1991年には、わたしたちは二つの製品を発表しました、その一つは《SCS》で、 この製品は、 同軸型のドライバーを用いて、 “Coherent Source”の性能を ブックシェルフの形式の中に実現したものです。 もう一つは《CS2.2》で、これはウーファーに独自のダブルコーン・エアーコア(空芯)・ダイアフラムを採用しており、ダイアフラムの共振を実際上皆無としたものです。

1992年、わたしたちはTHIEL にとって15番目の製品《CS3.6》を発表しました。 これは、完全に THIEL の設計によるドライバーのみを使って製作した最初の製品です。ウーファーにはアノダイズ加工されたアルミ製ダイアフラムを採用し、また先進の超低歪モーターシステムを使用しています。ネットワークにはレスポンス上の不完全さを補正するためのきわめて高度な回路技術が駆使されています。ミッドレンジ用ドライバーには THIEL独自のダブルコーン・ダイアフラムを採用。また、キャビネットはこれまでわたしたちが作り上げたものの中でもっとも振動の少ないものとなっています。

1977年に最初のスピーカーであるモデル01の制作を開始して以来今日まで、製品のそれぞれにおいて実現された設計コンセプトは、ほとんどの場合、価格の如何によらずそれ以後のすべての製品の中に受け継がれています。わたしたちは、これらの年月にわたり、音楽再生のクオリティー向上のための先駆けとして、なかでも音像再現と再生音の透明度向上の面で、相当の役割を果たしてきたと感じています。22年にわたる歩みの中で、わたしたちは、自分たちが掲げた製品思想を変更することはありませんでしたし、音楽再生の可能なかぎりの精確さを達成するための努力を放棄することもありませんでした。

1998年現在、THIELは、7種類のCoherent Sourceラウドスピーカーを製造しています。それらは、SCS2、CS.5、CS1.5、CS2.3、CS3.6、CS6、および最高級のCS7.2で、価格帯も多岐にわたっています。
特にCS6以降は、スピーカーユニットを自社製造することで設計と性能、品質のよりきめの細かいコントロールができるようになり、一段と優れたシステムの開発がなされています。

1999年、ピュアオーディオの枠を超えてハイエンドホームシアターをもターゲットに入れたMCS1,SCS3を発売。
2000年、大ヒットとなったCS2.3のバリエーションとして、高音質小型パーソナルスピーカーPCSと壁面型のユニークなPower Point、さらに初のサブウーファーなどを相次いで発表。

今日、THIELは先進のテクノロジーと製造技術を通じて、音楽的な完成をさらにより強く追求しています。当社の各部門-研究および開発、音響および構造技術、マーケティングおよび販売部門が、変わらず目指すところは、お客様に最もリアリスティックな音の再現を提供することです。お客様がロックあるいはクラシックを楽しむ場合も、オーディオのためのオーディオあるいはビデオのためのオーディオを楽しむ場合も、また、その空間あるいは予算に制限があっても、当社は、お客様にライブ音楽あるいは音楽的イベントを最も自然に近い姿でお届けし、そしてそこに含まれる感情的および知的喜び、家庭のなかでの素晴らしい音の体験を通じた音楽の偉大な楽しみを満喫して頂きたいと望んでいます。

*本文はティール社が発行のTHIEL/Company Background Informationに基づいて作成されました.




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