
Wadia (MI,USA) 1988年夏、革新的なD/AコンバーターWadia2000でデビュー。 |
| ワディア・デジタルの軌跡 ●ワディアの誕生。 1988年夏、ワディア・デジタルはモデル<2000>を発表してオーディオ界に、まさに彗星の如く現われました。CDの登場から6年目を数える当時はまだ、セパレートのCDプレーヤーなどごくわずかで、ましてや単体D/Aコンバーターなるものは皆無という状況でした。デジタルの可能性に誰もが期待しながら、一方で、特にハイエンド・オーディオファイルや音楽ファンの間では、アナログ信奉の意識が根強く残っていた時期でもありました。こうした言わばデジタルオーディオの黎明期にあって、デコーディング・コンピューターと名付けられたD/Aコンバーター・ワディア2000は、その重厚さ偉容さと高音質で、瞬く間に頂点を極め、真のデジタルオーディオを切り開くものとして、圧倒的な支持を集めました。 ワディア2000の功績 ワディア初のモデル、<2000>にはデコーディング・コンピューターの名が付けられました。それにはデジタルオーディオの10年以上も先を見据えた重要な考え方と、それを実現する斬新な様々な技術が盛り込まれていました。 それまでのデジタルの、特にCDの再生音からかつてのアナログレコードからうけるような自然さや音楽の暖かみがどうして得られないのか、熱烈な音楽愛好家であり卓越したデジタルエンジニア集団でもあったワディアは徹底的に究明しようとしました。そして、CDプレーヤーを構成するファクターの中でも最も多大な影響力を持つ部分がデジタル信号をアナログに変換するD/Aコンバーター部分であると指摘し、ゼロから見直すことに着手したのです。そして、現在へと続くいくつかの重要なテクノロジーを見出だしました。 <デジタル/アナログ・フィルターの副作用とその対処> そのひとつで最も要となったのが、デジタルをアナログに戻すためのフィルターでした。デジタルはもともと連続的な変化であるアナログ信号を、階段状の不連続な信号におきかえたものです。矩形状の階段波には大くの帯域外ノイズが含まれており、それを除く為にデジタルフィルターやアナログフィルターを使い帯域制限をし、結果として階段をなめらかなアナログに復元してやろうというわけです。しかし特にCDプレーヤーで使用されるフィルターには急峻なスロープが要求され、代償として群遅延という時間の乱れとプリシュート/オーバーシュートというインパルス音の前後にノイズが付帯するなどの副作用が生じてしまいます。群遅延は、基音に対する倍音等が時間的な遅れをもつことを意味し、プリシュート/オーバーシュートはパルシブな音を再生するときにその前後に余分なパルスが加わって音を濁します。いずれもデジタルオーディオにおける不自然さの元凶であったのです。そこで、ワディアはまずこのフィルターを排除することを考慮。64倍もの高速でリサンプリング(補間)し64倍密度にすることで階段を十分なめらかにし、帯域外ノイズをオーディオ帯域から遥か離れた2MHz以上に押しやることがきます。そうすれば、オーディオ帯域に害を及ぼす低周波フィルターを不要にすることができるのです。 64倍の高速処理をすると一言でいっても、これは実に大変な作業です。CDの場合、1秒間に4万4千100回のサンプリングですので64倍と言うと、何と282万2千400回。これだけの信号処理ができるのはコンピューターをおいてほかにありません。ワディア2000に搭載されたのは、当時のパソコン100台分にも相当する72MIPSの演算能力をもつDSPという信号処理のためのコンピューターでした。AT&Tが開発したこのDSPは、高速性とフレキシビリティーにおいてワディアの意に最も適ったものだったのです。 DSPはソフトウェアで動かされます。これがワディア2000の「デコーディング・コンピューター」の名の所以です。最初のワディア2000に組み込まれたのは、フレンチカーブと名付けられた補間のアルゴリズム(法則)のソフトウェアでした。これは後にデジマスターと称する改良型にバージョンアップされましたが、これらは例えて言えば、元の字に最も近い滑らかな書体を得るためのパソコン・プリンターのアウトラインフォントのようなものと考えられます。特にデジマスターは、デジタルからフィルターの副作用がなく最も自然に近いアナログが復元できるアルゴリズムとして、最新のパワーDACに至るまで一貫して採用されている優れた方式です。 <ジッター> 今やジッターが音質や臨場感に微妙な影響をおよぼすことが広く知られてきましたが、ワディアは当初から徹底的な対策を講じています。一番大きな問題は、デジタル信号の伝達過程でのジッターの発生。同軸コードで電気的にデジタル伝送を行うとどうしてもこの問題が避けられず、かといって当時もてはやされた光ファイバーでは伝送能力がワディアの要求に満たない。そこで、当時はオーディオ用には高価過ぎ、しかも何倍もオーバースペックですらあったAT&Tの光通信用STリンクを迷わず採用し、この問題をクリア。一方、ジッターは元来CDトランスポートがCDの情報をデジタル信号にする段階から含まれています。これを受けるD/Aコンバーターは、いかに伝送路のジッターを排除しても元を絶たなければその効果は半減します。ワディアでは、PLLからロックロックと称する独自のデジタルPLL、そしてさらには、ワディア9に搭載された入力信号ロック回路のタイムベースコレクション、さらには一元的な管理のクロックリンクなど、D/Aの初段でジッターを根絶する様々なアプローチも同時になされています。 <コンストラクション> プリント基板は安易に考えられがちですが、デジタル信号は電波のような高周波を扱う以上の配慮を要求します。基板のパターンはインピーダンスもキャパシタンスも無視できないほどのクリティカルさです。基板とそのパターンも一つの部品として扱かわれ、綿密にシミュレーションされた多層基板技術で対処されています。そして、これもしばしば、因果関係を分析する事がたいへん困難で、しかし音への反応がシビアなキャビネット構造の問題。入力部、本体部、各電源部の4つのセパレートキャビネットでおおがかりにシステムアップすることや、64ミリの分厚いアルミブロックを丹念に削り出すという2000や9で採用されたボディーには、基板や部品とキャビネットの電気磁気的な連鎖が引き起こすデジタル信号への影響とジッターの派生の要素を徹底的に解明した結果の確かな答えがあります。 ●D/Aコンバーターの開発 1988年のWadia2000に続いて翌1989年、一体型でリサンプリングレート16倍のWadia1000をリリース。同年春には、2000のフレンチカーブ・アルゴリズムを進化させた「デジマスター」を開発し<2000>に搭載する一方で、それまでの<2000>へのアップグレード・サービスも開始。2000の開発当初から構想されていた「アップグレード」という考え方をオーディオ機器において一早く実現しました。 Wadia2000はその後も、 90年の「ロックロック」クロック回路、「スレッジハンマー(SH)」バッファー回路、その改良版「S」バッファー回路(92年)、1996年から施行されている全面的に内部基板を入れ替えるという大掛りなアップグレードなど、現在までさまざまな進化をし続けてきています。 片や89年春、<Wadia1000>は16倍から64倍リサンプリング版にモデルチェンジした<1000 DM-X64>となり、その後、SHバージョン(90年春)、90年の夏から秋にかけての4入力の<DM-X64.4>、92年の<DM-X64.4S>、96年の大幅なアップグレードと、<2000>同様の過程をたどります。いずれも「デジマスター」が搭載されていることはいうまでもありません。 1990年、デジマスターの成果をもっと多くのオーディオファイルに届けたいという思いで、32倍リサンプリングの<DM-X32>を発売。 後に、独特のホットな表現力をもつ91年の名機<WadiaPRO>に発展してゆきます。さらに、 1991年、パワーDACの原形を試作。デジタルボリューム開発の基礎が確立します。 1992年、初のA/Dコンバーター<WA4000>。 1993年、最高峰モデル<Wadia9> 1993年、32倍リサンプリング第3弾モデル<Wadia15>。また、唯一のデコーディング・コンピューターではないモデルながら、高い支持を得た<Wadia12>も活躍。 1994年、CDプレーヤーWadia16のDACを独立させた<Wadia25>と、デジタルシステムのアナログ・フロントエンドとしてのA/Dコンバーター<Wadia17>が、 さらに 1996年、不動の評価を固めた<Wadia27>が生まれ、現在の96kHz24bit入力対応モデル<Wadia27ix>につながります。そして、 2000年、長年の夢であったWadiaパワーDACが完成。スイフトカレント回路など、新技術を満載しデジタルオーディオの新たな世紀に挑んでいます。 2001年、27ixはアルゴリズムのバリエーションを持つ新ソフトウェアを積んだバージョン3.0へと発展。 2001年には27ixがVersion3.0に進化、そのアップグレードも実施。 2006年3月、スイフトカレント回路をディスクリートで組みさらに精度を高めたSC-2Dを搭載し、コントローラーと2台のモノーラルDACの3筐体から成り、インターフェースの多様化に対するアップグレードの可能性をも見据えた新たなフラッグシップ"Series9"(931+921)デコーディング・コンピューターを生む。 2008年、最新のスイフトカレントモジュールSC-3D搭載のWadia521 Decoding Computerを発売。 ●CDトランスポートの開発 D/Aコンバーターの飛躍的な進化は、必然のようにトランスポートに対して高性能を要求します。 1990年春、トランスポートを持たなかったワディアがそのトータルコーディネーションに叶うメカのOEM提携に踏み切り、同年、ティアック・エソテリック製のターンテーブル方式メカを積んだ<WT2000>と、老舗的存在で独特の味をもつフィリップス製メカによる<WT3200>の2機種を相次いで発表します。 1992年、<WT2000>は、オリジナルメカのマイナーチェンジに伴って、<WT2000S>にバージョンアップ。CDプレーヤーWadia6からDACを外したトランスポート<Wadia8>もこの年発売され大好評。 1993年、WT2000からモデルチェンジされた<Wadia7>は、Wadia9とともに時代の頂点を極めます。 1994年、Wadia16からDACを外したフルサイズのCDトランスポート第一号機<Wadia20>、 1998年、Wadia20をベースにクロックに工夫を凝らした<Wadia270>がメインモデルとなり、デジタル出力の高精度、ジッター抑制とデジタル信号の安定化を計るさまざまな技術が電源やキャビネットの細部に渡るまで反映され、高い完成度を誇っています。 ●一体型プレーヤーの開発 ワディア初めてのCDプレーヤーは、1992年の<Wadia6>。VRDSメカと、DM-X32とPROから得られたノウハウによるDACボードを一体化したWadia6は、ハイエンド機器としては異例なほど爆発的なヒットとなりロングセラーを続けました。 1994年、フルサイズの<Wadia16>は本格的なCDプレーヤーとして、リファレンス機の風格を身に付けています。 同年、Wadia6の発展型として<Wadia21>と、エントリーアイテムとしてスタイリッシュな<Wadia23>を発売。 1997年にはさらに、<16>と<21>の後継機として、<Wadia860><Wadia850>が、 翌年には、<23>の後継<Wadia830>が続きます。 1999年、<Wadia860><Wadia850><Wadia830>の3機種は、27ix同様に96kHz24bit対応のアップグレードを開始しています。 2000年、860は861に進化。スイフトカレントI/V、96kHz24bitDACの搭載などパワーDAC技術のエッセンスを盛り込んだ最高級CDプレーヤーです。 2003年、861basic/861se、830の後継機302をリリース。 2007年秋、ワディア初のSACD/CDプレーヤー"581""581i"をリリース。マルチビット変換されたSACDを伝統のワディア・デジマスターアルゴリズムで再生。(2008年各々581se,581i seにモデルチェンジ) ●デジタル新カテゴリーの開発 2008年夏、iPodから生デジタル信号を引き出す画期的なアイテムWadia170"iTransport"を発表。 |
●Wadia ●FM Acoustics ●THIEL ●KRELL
●Transparent ●AE ●AcousticPlan ●Ayre ●Kharma ●finite elemente ●Wilson Audio
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